底砂を荒らす生物について



特にNNRシステムの中でもプレナム(止水域)を設けた水槽について、思っていることを書いてみたいと思います。

極端に底砂を荒らす生物(ベントス系ハゼや鉄砲エビとハゼの共生)の導入にはある時期から物凄く抵抗がありました。今回はそれが何故かを考えていこうと思います。

まずはベントス系ハゼについてです。
ベルリンシステムが紹介された当時、確か白いサンゴ砂を維持するためにアカハチハゼやミズタマハゼ等を水槽に入れることが勧められたことがありました。砂の表層を撹拌する役にも立っていたことでしょう。私も何回か導入を試みた一人ですが、確かに砂は常に撹拌されるために白さを保っていました。しかし底砂に生息する餌がなくなると、彼らは直ぐに★になってしまいました。どうやらなかなか人工餌にも餌付かず苦労した人もいたことでしょう。

しかし、ここで考えていただきたいことがあります。それは折角底砂に住んでいる線虫等を彼らは食べ尽くしてしまうのではないかということです。そして、この餌がなくなればこの世からさようならしてしまうのです。私は線虫を彼らに食べさせるために水槽に導入しているように感じてなりませんでした。それ以降、ベントス系ハゼを水槽に入れることは止めることにしました。
綺麗な白いサンゴの維持は、他の方法でクリアーできます。それは藻類の餌であるリンを与えないようにすればいいし、ナマコやヤドカリのようなゆっくり底砂をかき回し砂も綺麗にしてくれる生物を導入すればいいと思います。

そして鉄砲エビとハゼの共生です。
少し前に共栄とか共存という言葉がもてはやされましたが、海の世界にも共生という言葉があります。イソギンチャクとクマノミや、鉄砲エビとハゼの共生は見ているだけでも心が和み、ストレスを解消してくれるのもです。
しかし、鉄砲エビとハゼの穴掘り行動はすさまじいものがあります。この穴掘り行動が危険性をはらんでいるのではないかということです。

プレナムシステムは底砂によって硝酸塩を還元するシステムですが、この大事な底砂を見事に穴ぼこ状態にしてくれるのが彼らなのです。その対応としてスクリーンを敷くという考えが出てきましたが、もし砂の厚みがあまりなかったら、また止水域上直ぐにスクリーンを敷いたのであれば、本当にこのスクリーンは効果があるのか疑問に思っています。

プレナムは酸化還元電位を一定に保つ役割をしていますが、この電位は最も砂が薄いところの一番下の電位で決まるそうです。もしスクリーンをプレナム上3センチのところに設置してあった場合、そしてこのスクリーンまで鉄砲エビが穴を掘った場合、酸化還元電位はこのスクリーン下の一番下の電位で決まることになりますから、砂厚は3センチしか敷かないと同じことになるそうなのです。

どうしても鉄砲エビとハゼの共生を水槽で見たい場合は、この仕組みを十分理解して砂のトータルの厚み及びスクリーンをどこに入れるかを考えた方が良いかもしれません。

以上、「底砂を荒らす生物」について書いてみましたがいかかでしょうか?
最後にこれは私的考え方であるので、参考程度にしていただければ幸いです。